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「安武、じゃ強そうじゃないでしょう?(笑)」      バンクーバー五輪コラム 女子選手たちのある選択

2月 17 日, 2010 年, 12:11 am

  
      「スポーツでは、”夫婦別姓”の波」

  日本選手団の先頭は、5度目の出場を果たした笑顔の安武旗手です。そして過去、夏冬7度の五輪に出場した石崎団長が、日本初の女性団長として開会式に戻って参りました!。
 
  もし、開会式でこんな中継をしたら、登場人物が誰か、皆さん、お分かりになっただろうか。安武旗手は岡崎朋美の、石崎団長は橋本聖子氏の本名。ともにこれまでの五輪は独身で、今回も夫の名ではなく、旧姓で五輪に臨んでいる。何だ、そんなことかと思われるかもしれない。しかし、国際舞台で戦う日本の女子選手たちがオリンピックで旧姓、いってみれば「リングネーム」を堂々用いるようになったのは、わずか2年前の北京からの話なのだ。
  結婚すれば本名でADカードを取るのだという「暗黙の了解」が日本には長くあった。「田村で金、谷でも金」は、こうした流れの中で柔道の谷亮子が選んだ道である。初めて、「旧姓で行きたい」と意思表示したのは、北京の女子マラソン代表、村井礼子、いえいえ、土佐礼子である。JOC(日本オリンピック委員会)は、日本陸連を通じたこうした問いに、改めてIOC(国際オリンピック委員会)に照会し、「(欧米流に)セカンドネームまでは問題ない」と、パスポート名、本名に限らず、旧姓でAD取得が可能なことを確認した。
   
   「今になって、スピードスケートの安武です、なんて言っても、どこの新人さんか、って笑われちゃいますよねえ。何か、強そうじゃないでしょう?」
  出発前、岡崎朋美と「名前」について話をすると、朋ちゃんは私の背中をビシッとたたいて豪快に笑った。結婚前、バンクーバーまでは主婦業は休業させてもらう、練習環境を優先するため別居する、何より、スケーター「岡崎朋美」で、5度目の五輪に行きたい、とご主人に気持ちを伝えたという。「誰より強く、絶対に岡崎で行け、と彼が望んでくれた」と、38歳はうなずいた。レースはもちろん、安武さんが見守っている。
  4度目の五輪を4位で終えた上村愛子(モーグル)もまた、旧姓で4度目の出場を叶えた。皆川賢太郎は「僕は、上村愛子のファンですから競技で輝いて欲しい」と入籍の際に話していた。
   「女子選手も競技人生に、誇りを持って欲しい。政治家に通称名が認められるように、女子選手に競技者名を浸透させたい」
  橋本団長もそう話し、47・9%と冬季史上最高比率となった女子選手や、競技者名に胸を張る主婦たちの背中を押す。2つの名前を持つ女性トップアスリートたちが、バンクーバーに新しい輝きを添えて。

(14日付、東京中日スポーツ バンクーバー五輪コラムから)

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