「名波浩 劇的ゴールで5-4に」引退試合は自身のロスタイムゴールで磐田OB勝利 コラム コメント

10日=静岡・エコパスタジアム 一昨年引退したジュビロ磐田・名波浩(現アドバイザー)が「引退試合」を行い、4万3077人の観衆の中、磐田の黄金時代を築いた藤田俊哉(熊本)、札幌へ移籍する中山雅史、最年長の三浦知良(横浜FC)、日本代表としてプレーした山口素弘、中田英寿氏らと、左足から魅惑的なプレーを披露した。ジュビロOBの「ステッレジュビロ」でプレーした名波は、ロスタイム、最後のプレーで左足での強烈なボレーシュートを決めて日本代表OBの「アズーリ・ジャポーネ」に劇的な勝利(5-4)。そのまま胴上げされて、選手もファンも一体となった新しい「引退試合」のスタイルも示した。
また、12月にトライアウトを受け、移籍先を探しながら交渉がまとまらず現役引退をする磐田の元日本代表DF鈴木秀人(35)は、名波の思いもあってフル出場。最後はMVPを獲得し、試合後のセレモニーでは「17年間本当にありがとうございました。昔の仲間とプレーできて自分にとって最高の引退試合」と、サポーターに別れを告げた。今後は育成スタッフとして磐田で活動する。MIPは、2点をあげたカズが受賞した。
名波 お客さんも選手もみな楽しそうにしてくれていたのが一番うれしい。シーンとしたゲームにならずに、想像していた以上に盛り上がってくれた。4-4とか5-5をイメージしてたけれど、こんな終わり方もなかなかできない。会場に来てくれる人たちがどんなにワクワクしながらここに来るか、そして帰るときにはどのくらい楽しそうな笑顔で帰るか、そればかり考えて試合をプロデュースしてきたのでとてもうれしい。プレーしている人間が楽しくて、見ている人が笑って、サッカーの原点を自分も堪能できた。バーにシュートを当てたのは、最後のシュートの布石に過ぎなかったんだ(笑)。
[得点者]
ジュビロOB 川口信男 名波浩(PK)、中山雅史、高原直泰、名波浩(5点)
日本代表OB 三浦知良、秋田豊、三浦知良、前園真聖(4点)
「幸せの余韻」
1年でもっと寒い季節のスタジアムに、Jリーグより、W杯を目指す日本代表よりも多くのファンが詰め掛けたのは、ただ、日本を代表する左利きの選手の引退試合だから、という理由ではなかったのではないか。日本サッカーのシンボルであり続けるカズがいて、42歳で古巣を離れ、新天地札幌に移籍するゴンちゃんがいて、日本代表のプライド・井原正巳がいて、MFの可能性を見せてくれた、山口、中田との「トライアングル」があり、何よりもいまだにその輝きを失うことのない、黄金のジュビロサッカーがあった。彼らは上手くて強いだけではなく、いつも人々の共感と歩き、愛された。
そして桜井氏、矢部氏ら著名人の、真剣なプレー以上に、名波らと一緒に、様々な時代を、シーンを生きた人々の思い、共感といったものが、この引退試合最高の「仕掛け」だったように思う。クラブだけでも、代表だけでも、名波だけでもない。彼を「起点」に、この十数年、或いはもっともっと長い間に出された無数のパスが、この日、改めてピッチでつながってゆくようにも見えた。
引退記念のプログラムにも書いた好きな言葉がある。名波はよくこう言った。
「人々がゴールの興奮に沸く。そしてそれが静まったときに、ふと、こう言うんだ。でも、その前のパスもなかなか良かったんだじゃないの?と。自分はそういうプレーが大好きなんだ」。
エコパを車で出てから、長い道程を運転してくれたK記者と、同乗した記者と3人、つい何時間前のプレーをリプレーしながら「楽しかったあ」と、数々のシーンを振り返った。名波のベネチアでのデビュー戦を取材したA記者は、この日、最初のシュートがバーに当たったのを見て「ベネチアの時の、カーンという乾いた音、シーンがかぶって思い出しましたよ」と笑った。私たちはフランスW杯の際、エクスレバンに日本代表とともに滞在し、車であちこちのキャンプにも出かけた。12年前、3人でまだ真っ暗なエクスレバンを出てヴィッテルのクロアチアのキャンプまで片道300キロをドライブしたこと、そこで、エースのボバンが欠場すると特ダネを拾ったこと、帰りにリヨンで、今も味を思い出すようなビストロで美味しい食事をしたことなど、もう何年も話すことのなかったことを思い出し、笑い、しみじみと引退試合の幸せな余韻を噛み締めた。やがて気がついた。きっと、あの試合を見て「帰路」につこうとする人たちもみな、今こうして、試合の、時代の「余韻」を深く味わっているに違いない、と。
参加した選手全員が「楽しかった」と口を揃えたこの試合から、日本サッカー界に大きなエネルギーの塊もまた、新しく生まれたように思う。
LAST PASS-名波浩引退独占インタビュー(09年)http://thestadium.jp/?p=1679
「ミュージシャンであることを忘れてました(笑)」-桜井和寿
出場者コメント
カズ 楽しかったですねえ。技術だけではなくて、指示の声も凄く的確ですし、パスもよく来るし、あうんの呼吸というか、サッカーの面白さを味わえました。(横浜FCとの)契約については正式に(ブラジルの)キンデ(ジャウー)の副会長に正式にお断りをしました。自分の気持ちを伝えて、あとは覚え書きとサインをする段階にいる。きょうの自分の身体はバラバラで、こんなんでは全然ダメなので基礎体力からやりなおして22日の集合にはしっかりとした状態で臨みたい。
中山 すばらしい仲間と同窓会のように出会えてとても楽しかった。きょうの代表は、元代表OBの2トップ(カズ、中山)が現役という凄いことになってましたんでやらざるを得ない状況になりましたしね(笑)。相変らずヒデのパスは切れているし、怒られました(笑)。これだけの超満員で、お客さんも楽しめて、やってる自分たちも楽しめて、やはり名波浩は偉大だな、と。オレにはまだ伸びしろがあるんだよ!とロッカーで言ったら、ヒデに「伸びしろはあるけど時間がないね」と言われました(笑)。これでやっと休めます、この試合のために身体を動かしてきたんで。名波が言ったように「札幌でがんばれメモリアルゲーム」ということなので、僕もこの後、札幌で頑張って名波へのはなむけにしたい。向こうでも日々成長し、勝負できればと思う。J1だろうが、J2だろうが、JFLだろうが、地域リーグだろうが、サッカーを盛り上げていければと思います。
中田 僕のサッカー人生の中であそこまでフィーリングが合う人はいなかったし、そういう人がいなくなるのはひとつの時代が終ったということなんだと思う。自分はゴールを取りきれずに残念だったけれど、僕に(名波がパスを)出してくれるときに、相手(の気持ち)が分かる人なんだと分かる。これだけの人が集まってくれてこれは今後も続けていければいい。今ニュースを見ても、ゴルフや野球が大きく取り上げられている。僕らは現役ではないけれど、サッカーがもっととりあげられるようにはできる。
磐田OBでプレーした桜井和寿 この試合のオファーをもらったとき、(返事とオファーが)かぶるくらい(興奮して)即答をしましたが、その後悩みました。もの凄いメンバーがいるんでど素人で本当に申し訳ないな、と。緊張で吐きそうになりましたが(笑)ピッチに入ってからはもう無心で、名波君から「前にいろ」という指示だったので走りました。ジュビロのサックスブルーのユニホームを着ることができて、ずっと磐田を応援してきたので本当にうれしかったし、ミュージシャンであることを忘れていました。(名波へ)サッカーを通して、人々にエネルギーを与え、既成概念を覆してきたと思う。現役引退跡もそういうスタンスは崩さないでやっているな、と思ってみている。
山口素弘 今だに、特に打ち合わせをしなくてもボールがポンポンとつながっていくとき、やはり最高のメンバーでサッカーをやれたんだな、という思いになれる。みんな立場は違っても、サッカーを愛して盛り上げていくんだという思いを確認して共有するにも、きょうは意義のある時間だったと思う。
井原正巳 やはり、中盤の三人はポンポンとボールを回していて楽しそうだったし、代表のメンバーもみなサッカーへの思いは共通しているんだな、と思えた試合だった。ただし、思いは一緒でも身体が動かない(笑)。
服部年宏 最後にちゃんと役者が点を取ってくれてよかった。他人事ながら、どうやって終るんだろうなんて考えちゃうもんね。いい時代を共有できたこと、今もこうやって同じピッチでボールをおっかけられる仲間がいっぱいいること。新しい場所でもがんばれるように勇気付けられた。(移籍する)鳥取でJFLからJ2に絶対にあげたい、岡野(雅行)と頑張ってね。
北澤豪 日本代表のメンバー、ジュビロの選手、そして静岡であることで、これだけのお客さんが集まってくれたんだと思う。とてもすばらしい形で試合ができた。自分はもう身体も全然動かないんでヘトヘトだけど、試合中、高原に「がんばれよ」なんて心の中で声をかけてみたり、現役にはみんな「がんばれよ」と声をかけていた。でもロッカーでも、みんな同じ高いテンションを一瞬にして共有できるのがいいね。楽しいんだけれど、ふっとスイッチが入って緊迫した雰囲気も漂う。参加してくれたタレントの皆さんも、選手のああいう瞬間はちょっと怖いくらいじゃなかったかなと思う。

[...] 【ファンは根付いているけれど】 これだけの人が集まってくれてこれは今後も続けていければいい。今ニュースを見ても、ゴルフや野球が大きく取り上げられている。僕らは現役ではないけれど、サッカーがもっととりあげられるようにはできる。(引用元 増島スタジアム) [...]
[...] これだけの人が集まってくれてこれは今後も続けていければいい。今ニュースを見ても、ゴルフや野球が大きく取り上げられている。僕らは現役ではないけれど、サッカーがもっととりあげられるようにはできる。(引用元 増島スタジアム) [...]
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