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女子レスリング世界選手権2008

10月 13 日, 2008 年, 10:50 pm

吉田6連覇、浜口は、史上最多タイ9つのメダル獲得
 
女子レスリング世界選手権2008(最終日、東京・代々木第一体育館)に、北京で五輪連覇を果たした55キロ級吉田沙保里(26=綜合警備保障)が登場し、決勝では第一ピリオドを慎重にスタートしたものの、第二ピリオドでは怒涛の攻めで5ポイントを連取する大量リードを奪ったところで(1分3秒)、ウクライナのラザレワがヒザを負傷、棄権により勝利をおさめ、世界選手権6連覇を達成した。2度の五輪金メダルを含めて、8度の世界制覇を果たした。
 
また72キロ級には、北京五輪銅メダリストの浜口京子(30=ジャパンビバレッジ)が出場し、準決勝では北京同様、中国に敗れて3位決定戦へ。10日前に、右ひじの骨折と肉離れが判明する重傷を抱えながら、メダルをかけてモンゴルのブルーマと対戦した。第一ピリオドは落としてしまうが、第二ピリオドは右足、第三ピリオドは両足タックルでバックポイントを奪って1-2の逆転勝ちした。
 
浜口はこれで、95年に初出場を果たしてから世界選手権でのメダルが通算9つとなり、最多タイ記録に並ぶ。吉田、浜口ともに、五輪からわずか2ヶ月、心身とも試合に合わせるのが難しい状況下で堂々のメダル獲得となった。
 
3日間の大会日程を全て終了し、地元日本は実施された7階級(五輪は4階級)全てでメダルを獲得する実力を見せた。
 
「これがロンドンへの第一歩」
吉田沙保里(試合後、今回特別にコーチとして加わった父栄勝さんを肩車、さらに栄監督とタックル返しの連続技、最後にバック転をして会場を沸かせた)
「日本開催で、父が特別コーチに加わり、地元で優勝ができ皆さんに感謝します。国際大会8回の優勝は、たくさんの人に支えられたという結果。第一ピリオド終わって、(相手と)指を合わせて(攻めていないのは)いるのはお前だぞ、何やってるんだ、と渇を入れられた。五輪後、取材や挨拶回りで練習の時間がなかなか取れなかったが、2回の合宿で自分もチームも試合に向けて気持ちをひとつにできたと思う。これがロンドンでの3連覇に向けての第一歩と思っていたし、気合も入った。色々な物語があるが、今が本当に最高です」
 
「300連勝を目指す」
栄監督「(相手の棄権は)そのくらい力の差があったということ。練習量は確かに不足していたが、精神面では強くなっていた。沙保里は有言実行、ロンドンのほうが北京よりもむしろ(金が)堅いかもしれない。今後、会長と相談して、国内の大会は免除してもらうなど年に1度の国際大会に集中できるような環境を作ってやれればと思う。今年負けたと言っても団体戦でのことで、個人での連勝は続いている。これから300連勝くらいは行きたいね」


「ボロ雑巾のような心身を今は休ませたい」
 
浜口京子は銅メダルが決まると、父アニマル浜口氏を手招きでマットへ。遠慮がちだった父がマットに上がって娘を肩車すると、「YMCA」が流れた。右ひじの負傷のほかにも、1回戦で右目に相手の指先が入って目が真っ赤に充血していた。
 
(97年の)世界選手権初優勝の時にも、この曲がかかって肩車をしてもらったことを思い出した。10日前浅草での(自宅ジム)練習中にひじを痛めてレントゲンを撮ったら、小さい骨(軟骨)は折れていて、軽い肉離れもあった。今回は本当に重傷だったので出られないのではとも考えた。毎晩、治療器具を持ち込んで寝ている間も電気パッドを腕にあてて24時間治療をしたが、きょうも朝起きたときには(心身とも疲れ切っていて)正直、試合ができるような状態じゃなかった。でも15歳で始めたレスリング、日ごろの練習量を思い出して試合に向かった。北京よりも(同じ3位決定戦だが)落ち着いていたと思う。
 
今後のことについては、気持ちは毎日変わる。今は、オリンピック、世界選手権でボロ雑巾のようになった心と体を先ずは温泉に浸かって休ませて、ひじを治したい。充電すればまた気持ちも変わってくるかもしれない。
 
○・・・北京からわずか2ヶ月、さらにひじの負傷で出場を断念しかけた娘の銅メダルに、父は「よくやったぞ」と耳元でささやいて抱きかかえた。この4年、反則負けやケガ、判定など困難があったが、「京子は忍耐、我慢を貫いた。本当によくやった」と労う。北京では「私は重要危険人物としてマークされていたので何もできなかった」と、フラストレーションが溜まっていたせいか、この日は、もしや肩車が再現できるか・・・と準備は万端、コンディションもばっちり整えていたという。「試合前の不安があって、試合中の緊張があり、試合後の興奮がある。だから止められない」と笑っていた。

■女子レスリング世界選手権2008 日本選手の結果
   48kg級 坂本真喜子(自衛隊)銅メダル
   51kg級 坂本日登美(自衛隊)金メダル=4年連続6回目
   55kg級 吉田沙保里(綜合警備保障)金メダル=6大会連続6回目
   59kg級 正田絢子(網野ク)金メダル=2年ぶり4回目
   63kg級 西牧未央(中京女大)金メダル=初出場での優勝
   67kg級 新海真美(アイシンAW)銀メダル=初出場、日本勢過去最高成績
   72kg級 浜口京子(ジャパンビバレッジ)3位=自身メダル通算9個目(日本人最多タイ)
※日本のメダル獲得数は金4、銀1、銅2で、全階級メダル獲得は2年ぶり

 
 
 
 
 
 
 
 
 

※日本のメダル獲得数は金4、銀1、銅2で、全階級メダル獲得は2年ぶり 
 
(取材・文=増島みどり)

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