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高橋尚子、米国での長期合宿へ

5月 31 日, 2008 年, 11:30 pm

今年11月の東京国際女子マラソンから大阪、名古屋と国内三大レース連続出場を表明している高橋尚子(36=ファイテン)が、11月までの長いトレーニング合宿のため成田空港から渡米した。コロラド州ボルダーを拠点にし、東京に合わせて11月6日に帰国する。ファイテンには陸上部があり、毎年、東日本実業団女子駅伝(今年は11月6日)に出場している。高橋も、チームからの要請があれば、「出場も検討しています」と、数年ぶりとなる駅伝出場にも前向きな姿勢を見せていた。


「覚悟のふくらはぎ」

成田空港の駐車場から、出発ロビーまで上がるエスカレーターに乗った。上の方に、ひざ丈辺りでカットされた短いクロップドジーンズにスニーカーを履いている女性の「ふくらはぎ」だけが見えた。途中にも乗車している人がいたので、見えていたのは本当にふくらはぎだけ、という面白い光景である。細いけれどモデルのそれとは違う。筋肉が縦にビシーッと入っていて、惚れ惚れするような躍動感のあるふくらはぎだけを見上げながら、あんな脚の持ち主、ただもんじゃないだろうな、と思ったら高橋の脚だった。3月から休んでいるからもっと筋肉が落ちちゃうのかと思った、と言うと、高橋は笑った。
「いやあ、もうこの脚が嫌なんですよねえ。筋肉浮きまくりじゃありませんか?」

さて、この脚こそ、11月の東京国際から09年1月の大阪、3月の東京と合計126.585キロを走り切ろうとする史上最強の脚である。予定では11月のレースの10日ほど前までボルダーで高地トレーニングを積む。半月板の一部を除去した昨年夏の手術以後、走る代わりに取り入れたリハビリメニューの「ブートキャンプ」(有酸素運動)のほか、補強(腹筋、背筋など)、ウエイトトレーニングを積極的に取り入れ、「怪我をしない体作りをしたいと思います」と話す。

また、名古屋でも明らかになったように、レースから遠ざかった実戦経験の不足ゆえにスピードに乗れず、走りのリズムを崩すなど「レース勘」の維持も、半年にも及ぶトレーニング期間の重要なテーマになる。幸い「ランニングのメッカ(聖地)」といわれるボルダーでは、毎週、小さなレース、距離の短いレースがたくさん行われている。「距離を積む以外にスピード不足は痛感していました。今回は、レースに出ます、という力の入ったものではなくて、気楽に走ってみたい」と、練習と実戦の2本立てで3レースに臨む。1本目より、2本目、3本目のほうが上向きになる可能性もあるのでは、と、自らの肉体の未知を前向きに捉えている。昨年から不在だった調理にも、新しく新生暁子(じんじょう・ときこ)さんが同行。栄養と休養も万全の構えだ。

4ヶ月で3レースを走るうえで、レースとレースの間のコンディショニングが重要になる。「8年前から思い続けてきたこと。これが最後の挑戦になるのかな、という思いもある」と、引退も心に秘めたビッグチャレンジが始まる。

(取材・文・写真=増島みどり)

 

 

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