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「J1復帰の広島、横浜Mに逆転勝ち」コラム

3月 7 日, 2009 年, 6:14 pm

  J1に復帰した広島が、アウェーで横浜Mとの開幕戦に臨み、前半3分、横浜のルーキー渡邊千真(早大出)に先制ゴールを奪われながらも、J2得点王(28点)のFW佐藤寿人が左足でゴールを決めて逆転、4-2で勝って開幕好スタートを切った。


コラム「しょせんJ2の得点王・・・なんて絶対言わせない」

 ピッチに入る際、佐藤寿人は日産スタジアムのピッチを神聖な気持ちでそっとなでた。
 「きょう、よろしく御願いします」
 心の中でそう言ってピッチに整列すると、横浜Mの中澤佑二と会う。「ただいま」とちょっとおどけていうと、中澤も「おかえり」と声をかけてくれた。開幕戦のこの日、「開幕試合」となった試合は、新人としてはJ史上5人目となる開幕ゴールをあげた横浜M渡辺に、開始3分で先制される苦しい展開で始まった。しかし、昨シーズン、J2の過酷なリーグを戦い抜いた「結束力」は広島を少しも動揺させなかった。ペトロヴィッチ監督は3バックを4バックにすぐさま変化させて逆襲に転じた。
 19分、「ずっと開幕ゴールを狙っていました」という広島のDF槙野智章が、中澤の厳しいマークを右サイドで振り切って走り込むようにヘディング、早くも同点に。たたみかけるように、5分後の24分、服部公太からのボールをゴール正面で青山敏弘がスルー、佐藤は左足でこれを落ち着いて決めて一気に試合を逆転した。38分にも、柏木陽介がゴールを決めて前半で3-1と、先制された試合で優位に立って後半に入る底力こそ、J2から這い上がったチームの強さなのだろう。
 
 佐藤は懐かしそうに振り返る。
 「スタジアムの雰囲気は素晴らしく、帰ってこられたと思いました。去年、隣の補助グランドで練習しながら、監督に、いいか、来年は絶対に隣でプレーするんだぞ、とこのスタジアムを見上げていたことを思い出します」
 J2横浜FC戦を前に(三ツ沢競技場)した練習は、日産スタジアムの駐車場横にある人工芝のフットサル場。しかし、監督、チームで誓った「隣のスタジアム」で開幕戦を勝利で、しかもマリノスを相手に4点も奪って完勝するとは「さすがに思いませんでした」と、佐藤は照れくさそうに笑った。昨年28得点をあげたことを、「しょせんJ2だから」とは絶対に言われたくない、と佐藤は力を込める。
 一昨年の開幕、FC東京戦でも佐藤は2得点。しかし、今年の一体感は当時と比べられないほど充実したという。
 「05年以外は全て開幕戦でゴールをあげながら降格してしまった。今年は、開幕ゴールをしてリーグも優勝する、そういう新しいジンクスを自分たちの力で作り出したい。全国に広島のサッカーの魅力を広めたいと思います」

 昇格した広島が4得点を奪い、得点王がその力を発揮し、同じくJ2から昇格した山形が磐田に6-2で圧勝して開幕スタートを切った。今年の「一年生」、どうやら手ごわい。

(文=増島みどり)

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