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「日本代表、オーストラリアとドロー、勝ち点8で折り返し」選手コメント、コラム

2月 11 日, 2009 年, 11:53 pm

「2試合連続ドローも、予選突破へは大きく前進」
 
日本は先発FWに、先週は腰痛で別メニューを続けた田中達也を起用、これまでの1トップではなく玉田圭司との2トップで前線での運動量からゴールを狙った。
豪州は、DFラインを比較的浅くとり、裏を抜けるスピードを武器とする日本には絶好のチャンスとなった。
 
前半5分、右サイドを抜けた田中から、中を突破する玉田にパス、玉田は左アウトでシュートし、これが日本の最初のシュートとなった。
その後もハーフラインをポイントにプレスをかけて豪州の攻撃を遅らせ、奪ったボールをスピードに乗せて効果的にファールを誘う。
しかし、中村俊輔のFKはゴール上に、また長谷部誠が落としたボールを玉田がミドルシュートにしたが、これもゴール上を大きく通過するなど、ボールを抑えきれないのか、精度を欠いた。
また、連日非公開として練ってきたセットプレーは、相手の壁に跳ね返されるなど、前線にあがった闘莉王、中澤佑二には当らず、好機にはできなかった。
前半、豪州の2本に対し、6本のシュートを放ちながら無得点のまま前半を終了。
この試合で勝ち点1を奪えばいい豪州の、攻撃的ではない淡々としたペースにずるずると巻き込まれた格好となった。
 
後半12分、岡田監督は最初のカードに、松井大輔を代えて大久保を投入。
しかし、日本はサイドを崩すことに時間と人数をかけ、崩して折り返すものの、今度は中の人数が足りない。
一方、オーストラリアはサイドの攻撃に対して特別なケアをせず、最後は真ん中で跳ね返すといったシンプルな守備で応戦。
30分を過ぎると、DFラインに5人を残して守り、日本の攻撃は封じられた。
 
後半38分、フィンランド戦で2ゴールをあげたFW岡崎慎司を入れるが、シュートを打てずに終った。
日本はボール支配率でも62・4%とオーストラリアを圧倒し、終始ペースを保ちながらもゴールを奪えず、両者の対戦成績は5勝6敗6分。
「不完全燃焼」の試合となり、ホーム初戦となったウズベキスタン戦と2試合連続でのホームでのドローとなった。
 
W杯最終予選の前半戦4試合を終了し、3勝1分け、ここまで4試合無失点と鉄壁のオーストラリアは勝ち点10で首位をキープ、日本は2勝2分けで勝ち点を8として2位につけた。
岡田監督指揮下の通算成績はこれで16試合8勝6分け2敗。
また、この日、ウズベキスタンで行われたウズベキスタン対バーレーン戦は、バーレーンが1-0で勝って勝ち点を4とした。
日本と3位の勝ち点差は4となり、予選通過(2位まではW杯出場)へは大きく前進した。
次戦は3月28日、埼玉スタジアムでバーレーン戦に臨む。
この日、ベンチ外となった7人の選手のうち、稲本潤一は風邪で体調を崩したためだった。

「もっと個人がアイディアを」
遠藤
 
非常に残念、引き分けは欲しくなかった。きょう勝てれば、大きなアドバンテージを持って残り4試合を戦えた。
もっと高い位置でのダイレクトプレーがなければフィニッシュに向けて攻撃の幅が広がらないと思う。確かにチームとしての精度は上がっているし手ごたえもあるが、攻撃ではもっと個人のアイディアを加えていくことが今後の課題になると思う。ただし、短期間での招集、オフ開けといった材料の中、オーストラリアのような強豪、それも久しぶりに対戦する世界的な強豪、と言われるチームと最低限の試合ができたことは、チームの底力をアップできたという確実な手ごたえを感じる。ホームで2試合引き分け、そろそろ回りが色々と騒がしくなる(メディアが書くなど)だろうから、次はきっちり勝ちたい。

 
「違うオーストラリアだった」
中澤

ドイツのW杯やアジアカップの時と比べても、オーストラリアには全然キレがなかった。過去の2試合との比較はできない戦い方だった。だからこそ引き分けが悔しい。失点しなくてよかった、という気持ちよりも、勝ち点2を落として悔しいという気持ちのほうが強い。(ずっと非公開で練習したセットプレーが不発だった)秘策はあったし、闘莉王ともポジションを代えながらやっていたが、ボールが来なかった。非公開は、4-5-1を4-4-2とツートップに変えていたことと、松井や大久保をどうするかを外に出さないというためだった。手ごたえはあるので精度を高めたいが、決めるところはしっかり決めておかなければ。折り返したがあまり気にしていない。それよりも次の試合はホームで勝ってお客さんにも納得してもらう試合にしたい。

「数打てば当る、と信じてやる」
長谷部

勝てたし、勝たなきゃいけない試合だった。オーストラリアは攻撃にはそれほどかけてこなかったが、守りの部分ではしっかりとポジションを取り、かなり激しく体をあててきたと思う。こういう試合では、パスを展開するだけではなく、もっと前に、積極的に行くことが大事だと考えていたので、自分もこぼれ球を拾うなど前へ行く意識を強く持ってプレーをした。
攻撃では中の枚数(攻撃の)が足りなかった。サイドを崩すと、中が足りない。そこを自分たちが飛び出していくような工夫を臨機応変にもっとできればよかったと思う。コンディションや合流後のフィット感は問題なかった。

 
「もっと自分にボールを」
闘莉王

勝ちたいですねえ。悪いサッカーはしていないし、向こうの4番(ケーヒル)にあててそのこぼれ球からの展開が守備のカギになると思っていた。いいサッカーはできていたが、あれを入れなければいけなかったし、もっともっと貪欲に行こう思っていた。(セットプレーでは)もう少し自分にボールが欲しかった。

 
「勇気の問題」
大久保

もっと出たかった。コンディションも時差なども問題はなかった。速いパスをシンプルにまわしてつなぐサッカーの方向性はいいが、相手が真ん中を固めているときには、サイドから崩したり、まわしているより、もっと自分が突っ込んでいったり、シュートをどんどん打っていくような泥臭さがいる。もっと勇気を持って戦っていきたい。

「無失点が収穫」
都築

つないで行こうという意識でやった。相手のVTRでは、高い選手にあててそのこぼれ球を拾ってシュートにつなげる形だったのでそこを警戒したが、きょうに限ってオーストラリアは前に出てはこなかった。スペースを与えないようにすることは、どの試合でも変わらないし、高いボールへの対処もしっかりできていた。無得点ドローは残念だが、無失点で抑えることができたのは大きいと思いたい。
   
「チャンスは1回」
田中

サッカーへの手ごたえはあるが、結局決めることができなかった。決めるところをしっかり決めなければならないし、こういう試合で打てるチャンスは1回。何度もチャンスがある中ではなくて、1回を決めるための決定力をあげていくしかない。
    
「半分終ってまだまだ」
長友
(岡田監督が左サイドの精度は修正必要と発言)
そうだと思います。もっと上がっていかなくてはいけないし、きょうはミスも多かった。(中村が)右サイドにいるのでどうしても右からの攻撃に寄っていってしまうところを、今後課題にしていきたい。試合後、岡田監督に、素晴らしい試合をしてくれた。チームもとてもよかった。しかし予選はこれからだ、と30秒ほどだったが、気合を入れられた。

岡田武史・日本代表監督
「やろうとしていたシンプルにボールを繋いでいくサッカーをやってくれてチャンスを作れた。何とか勝たせてやりたかった。点は取れなくて残念だが、貴重な勝ち点1だと思う」
    
「選手がすばらしい」
オーストラリア、ピム監督

0―0という結果は私たちにとってうれしいものだ。選手たちを褒めてあげたいと思う。ヨーロッパからの移動は長旅でしかも時差もあり、準備期間もない中、日本に対していい仕事をしてくれた。予選は、勝ち点の積み上げが重要であり、4試合を無失点、無敗で折り返した選手たちはすばらしいと思う。

「相手を90分守らせた」
中村

マイナスをひとついうなら、勝ち点3が取れなかったこと。ただ、90分は相手を守らせたかな、とは思う。(これで勝ち点4差ついたが)そんなの意識していない。W杯に出て上に行きたいし、日本のサッカーを確立したい。その意味で、もし突破が決まっても最後の試合はベストメンバーを組むべきだと思う。(残り10分で前回との違いが分かると話していたが)きょうは相手のカードを抑えて終った感じ。相手のカードを抑えて、自分のカードを出せればいい。ただ、欧州でプレーするような強豪を相手に大分形はできてきた。あとは外に出て親善試合ができればいいので、早く決めて欧州でも試合をしましょう、と会長(犬飼会長)にも言われた
 
「内容では2年前を逆転した」
犬飼会長

ドイツW杯のときと比べて内容では逆転したのではないか。これからに自信を持って迷わずやってほしいと思う。希望の持てるとてもいいサッカーだった。ただあれだけシュートを打っても実らないというのがサッカーかな、と。2試合連続の引き分けではお客さんがこれだけきてくださるので勝って欲しい。


コラム 「不完全燃焼の理由」

 マラソンにたとえて、この試合が中間点、まさにハーフの折り返しを過ぎた地点だとすれば、日本は先頭を走るオーストラリアにわずか5㍍差ほどで付け、両者はほぼ並んで、勝ち点4差のバーレーン以下3チームの集団を大きく引き離して折り返しを越えた、そんな図だろう。この日、北朝鮮がサウジアラビアを下して混戦模様となったB組とは対照的に、3、4、5チームが大きく離れたA組の展開は、プレーオフでようやく代表をつかんだ97年、最終予選よりも、一次予選で1位抜けという厳しいレギュレーションを勝ち抜いたドイツW杯と比較にならないほどゆとりのある戦いだ。
   オーストラリアも、引き分けなら2位以内をほぼ確定できる状況で、この晩の「引き分け」は、双方にとって「貴重な勝ち点1」(岡田監督)をもたらすものだったといえる。このレースは、1位でテープを切っても2位でゴールしても、賞金差のないレースだ。こんな不完全燃焼的試合が、W杯出場を重ねる国の典型的な予選なのかもしれない。これも進歩のひとつだ。

一方はサイドで人数と手間をかけて攻撃を展開する。サイドの人数より中の枚数は少なくなる。一方は、サイドをほとんどフリーにして、真ん中だけで全ての攻撃を潰そうと鉄壁の守りを敷く。サイドは薄く、中で5人がボールを跳ね返す。
   この日、豪州に対して果敢に体を張って攻守を挑んだ長谷部は、「サイドで崩すと中がいなくて跳ね返される」と決定力不足の理由を簡潔に説明したが、ここまで無失点、とにかく真ん中さえ割られなければ、と守る欧州に対して、サイドからの攻撃、スルーでの突破はむしろ術中にはまってしまうものだった。大久保や長谷部といったドイツでプレーをしている選手が、ボールを落としたり、拾って打ったり、一人で切り込んでいったり、といった、個人での「泥臭さ」を見せたのは偶然ではないだろう。ミドル、ロングをもっと打って、ミスを誘って流しこむといった、全く「目指していない」、ある意味で型にはまらないサッカーでゴールを奪って、チャレンジしていくのも面白い。そんなワクワクドキドキするものがなかった。
 遠藤は「もっと個人のアイディアでやっていってもいいと思う」と話していたが、予選突破がほぼ確定した折り返しから、どんな走りで「ゴール後」を見すえていくか。中村は早くも最終予選の最終戦にまで言及し、「(突破が決まっても)最終戦はベストメンバーで戦うべき」と、現実路線を見据えていた。折り返して、テーマはゴールより、ゴール後に移りつつあるのではないか。

(文=増島みどり)

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