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「みんなのスポーツ」四国・九州アイランドリーグ・高知FD対徳島IS、2試合続けてのドロー!

8月 1 日, 2010 年, 9:57 am

炎天下をものともせず好投を続ける左腕・吉川岳(高知FD)、走者・猪澤海(徳島IS)

四国・九州アイランドリーグ2010 後期公式戦
2010.7.31. 高知ファイティングドッグス 0‐0 徳島インディゴソックス 2回戦 <高知球場> 観衆370人

 徳島IS 000 000 000|0
高知FD 000 000 000|0
※ 9回リーグ規定により引き分け

バッテリー
 徳島IS 光安、岩崎、片山、弦本 ‐ 山村
高知FD 吉川 ‐ 飯田

本塁打
 徳島IS 
高知FD 

 4位・高知ファイティングドッグスと0.5差で追う5位・徳島インディゴソックスが3連戦でぶつかる。最下位の徳島ISと首位(長崎セインツと愛媛マンダリンパイレーツが同率で首位)との差は1.5ゲームしか開いていない。22勝を挙げ前期2位に終った高知FDと、20勝を挙げ3位に食い込んだ徳島ISには、ともに後期リーグ戦で優勝を狙える力が十分にある。
 30日に行われた後期1回戦は3対3のまま9回リーグ規定により引き分けとなった。翌31日の第2戦はよく晴れた空の下、額から汗が滴る暑さの高知球場で14時にプレーボールとなった。
 試合は両先発投手が好投を続け、投手戦の様相を見せる。高知FDの先発左腕・吉川岳(24歳)は初回、二死三塁と先制のピンチを迎えるが、四番・山村裕也(23歳)を三振に切って獲りピンチを凌ぐ。そのまま前半5回をヒット1本に抑える好投で、徳島IS打線を無失点に封じ込めた。
 徳島IS先発・光安祐輝(24歳)も初回、2回を三者凡退に抑える快調な立ち上がりを見せる。こちらもヒット2本、三塁を踏ませない投球で5回を終えた。
 6回表、3巡目に入った徳島ISは二番・関口大志(21歳)、三番・斎藤雅俊(23歳)が連続安打を放ち一死一、二塁のチャンスを作る。しかし四番・山村が三ゴロ併殺打に倒れ1点が奪えない。
 高知FDは6回裏に二番・流大輔(21歳)のバントヒット、7回裏には六番・中平大輔(28歳)の右前打と先頭打者が塁に出る。しかし打線がつながらず、依然ゼロ行進を続ける。
 0対0のまま迎えた8回裏、先頭の九番・飯田が死球で出塁したところで徳島ISベンチは継投策に出る。好投した光安に代え左腕・岩崎雄也(22歳)をマウンドに送ると、一番・安田圭佑(22歳)、二番・流の左打者2人を打ち取った。二死一塁の場面もサイドハンド・片山正弘(25歳)が三番・梶田宙(27歳)を三振に獲り、無失点で乗り切った。
 9回表も徳島ISは吉川の前にチャンスを作ることができず、クリーンナップが三者凡退に倒れ最後の攻撃を終える。9回裏、負けのなくなった高知FDの前にクローザー・弦本悠希(21歳)が立ちはだかった。先頭の四番・龍央(中村竜央、29歳)が四球を選び出塁するも、後続が倒れ最後まで得点を奪うことができなかった。
 試合は0対0のまま9回リーグ規定により引き分けとなった。この結果、2試合を終えて2分けと順位は変わらず、0.5差のまま8月1日、同じ高知球場で第3戦を迎えることになる。

『「勝ち負けは気にしていない」』

 7回を無失点に抑えてマウンドを降りた徳島ISの先発・光安祐輝(24歳)が言う。
「負けなかったのは良かったですけど、岳に負けました。あいつの体力は…。去年もイニングめっちゃ投げてるのに」
 高知にはナイター設備のある球場がない。高知FDのホームゲームはすべてデーゲームで行われる。真夏のとりわけ高知の厳しい暑さのなかで行われた試合に、高知FDのエース・吉川岳(24歳)は、さもそれが当たり前であるかのように9回を投げ切った。16試合に登板し3完封、勝ち星こそ5勝と少ないものの、リーグ最多となる132回3分の2を投げ、防御率はリーグトップの1.36である(7月31日現在)。マウンドに登れば常に8回以上を投げている計算になる。昨年のリーグ最優秀選手が今季も安定した投球を見せている。
「全然暑さは感じなかったです。香川とやったダブル(6月27日、香川OG戦、高知球場、完投して3対3の引き分け)のときと比べたら全然。野手の方が大変やったと思います。勝ち負けは元々気にしてないんで、フォアボールをゼロか、それに近いくらい少なくして、全部低目に集める。あとはストライク先行でいけるように」
 2試合連続の引き分けドローというがっぷり四つの展開にも、きっぱり「勝ち負けは気にしていない」と言い切った。マウンドで自分の仕事をきっちりとやるだけ、あとは打線が打ってくれるのを待つしかないし、打てなければしょうがない。勝負以上に重要視していたのは、実戦のなかでさらに高いレベルのピッチングをすることだった。もちろん最初から9回を投げ切るつもりでいる。今日の試合のなかでやろうとしていた目標があった。
「練習を試合の気持ちでやるんじゃなくて、試合を練習の感じでやる。力抜いて力まず。今年一番、力抜いて放れました。最後9回は思いっきり、それまで思いっきり放ってなかったんで。それまではずっと内野ゴロ打たせようと思ってましたから」
 許したヒットの数は5本、変化球を丁寧に低めに集めた。最終回はクリーンナップを三者凡退に封じ込めている。この回だけはストレートを全力で投げ込んだ。
 毎週の先発ローテーションを守るだけではない。今週はリーグ選抜のメンバーにも選ばれ、7月27、28日の2日間、ソフトバンク二軍との交流戦にも帯同している。27日、福岡・雁の巣球場で行われた交流戦第1戦で2イニングを投げ、無失点で終えている。
「めちゃめちゃいつも通りに。若干力んでたことはあったかもしれないですけど、いつも通り低めに集められて、三振も2個獲れましたし。陽、神内、有馬。左ピッチャーを見られたことが良かったですね」
 格上の打者と対戦する経験はもちろん、NPBの投手をしっかり観察して自分のピッチングの糧にしたいと考えていた。気付かされたのはうまく身体の力を抜きながら、ボールをリリースするときだけピッ! と力を込めていることだった。さっそく今日の試合で実践し、それが力を抜くことにつながっている。
 観察は今日の試合でも続けていた。光安の投げるカーブを見ながら、自分に足りないものについて考えていた。
「やっぱりカーブの緩急って大事やなぁって。真っ直ぐが活きるじゃないですか。僕の変化球ってスライダー、チェンジアップ、カットボールって、ちょっと曲げる球ばっかりなんで、緩急1つつけられたらもっと幅が拡がると思いますし。こないだあれ、高尾(高尾健太、香川OG)、高尾の緩急見てても思ったんですよねぇ」
 対戦相手の光安、選抜チームでマウンドに登った高尾、それぞれの良いところを自分のピッチングに活かせないか?「勝ち負けは気にしていない」と語った理由の裏には、勝負以上に自分のスキルを少しでも向上させたいという想いがある。
「どうしても今は試合中心に考える練習になってしまってるんで。もうちょっと練習で追い込めたらなぁとか思うんですけど、そしたらチームに迷惑かけてしまうんで。でも、できる限りのことはやって、毎日充実してしっかりやれてます」
 数字として残している成績はもちろん、昨年以上の強かさが見えている。NPBに登るために何が必要なのか。貪欲に追い求めようとしている姿勢がある。
 試合は0対0の引き分けに終わった。だが、光安は先にマウンドを降りたことを悔しがり、「岳に負けた」と言った。吉川が言う。
「相手より絶対に先にマウンドを降りない。あと、絶対先に先取点をやらない。ゲームのなかで常にそれは思ってます」
 先発投手としてまずやるべきことがあり、このリーグにいる自分が今やるべきことがある。その向こうには、目標とする場所へ続く道がある。

吉川岳(よしかわ・がく)
高知ファイティングドッグス、投手、24歳、大阪府出身、左投左打、172㌢、76㌔、A型、登美丘高→桃山学院大
(取材・文=高田博史、写真=森美里)

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